ヒース(エリカ、カルーナ・ブルガリス)|スイスで出会ったハーブ

ベルナーオーバーラントの山中にて

スイスのベルナーオーバーラント地方の山の上で、8月下旬にエリカの群生(ハーブの世界ではヒースと呼ばれることが多い)に出会いました。

過去にも何度かスイスの山の中でハイキングをしている時に見かけていたので、夏の終わりに咲くピンク色の可愛い花というイメージでしたが、なんとハーブだったとは(びっくり)!

ハーブを勉強してからははじめて群生しているところに行けたのでちょっと感激です。

ヒース
アルプスに咲くピンク色のお花(エリカ)

可愛らしい見た目だけでなく、最近はエリカ(ヒース)の美容効果について興味津々です(美白のハーブとして認識しています)

エリカといってもたくさんの種類があるので、スイスの山の中で出会ったエリカの種類やハーブとしての役割りについて調べてみました。

スイスで出会ったナツザキエリカ「Calluna Vulgaris」

エリカには700種類以上の品種があると言われていますが、

大部分が南アフリカ原産で、ヨーロッパの地域に分類するものはそのうちの14種類ほどしかないそう。ヒース(ヘザー)と呼ばれているものは、ヨーロッパの荒野に自生しているエリカ種の総称です(厳密にはエリカ種をヒース、カルーナ種をヘザーと指すという英文記事が多め)。

私がスイスの山の上で出会ったのは、カルーナ・ブルガリス(Calluna Vulgaris)で、和名ではナツザキエリカまたはギュウリュウモドキと呼ばれる品種です。お花の部分をハーブティーとして飲むことができます!

日本のハーブショップで売られているハーブティーも、調べてみたらほとんどカルーナ・ブルガリスでした。

ヒースとは、イギリス名で「荒地(農耕に不向きな土地)」を意味するそう。ドイツ語ではHeideと呼ばれます。なので、もともと荒地に咲くお花という意味があるみたいですね。

私はスイスアルプスのベルナーオーバーラントの山中で出会いましたが、他のツェルマットのハイキング中にも見たことがあるのでヨーロッパアルプスの全域に自生しているのかなと思っています。

ロープホルン小屋
スイスアルプスの山の上のロープホルン小屋周辺に群生していました
スイスアルプスに群生するカルーナ・ブルガリス
スイスアルプスに群生するカルーナ・ブルガリス

スイスアルプスには、他にも春のヒース(または高山のヒース)と呼ばれる「エリカ・カルネア(Erica Carnea)」という種類のエリカも雪解けの季節に咲くようです。

ヨーロッパで有名なところだと、ドイツのリューネブルガーハイデ「Lüneburger Heide」という場所に、広大な自然保護地区の大地一面にナツザキエリカが群生する「エリカ街道」という観光地があります。行ってみたいですね!

リューネブルガーハイデ「Lüneburger Heide」
UnsplashBirger Strahlが撮影した写真

また、ノルウェーの国花の一つが「ヒース(カルーナ・ブルガリス)」として知られています。そこらじゅうにいっぱい生えているのだとか。

エリア的には、イギリス・中央ヨーロッパ・北欧など寒さの厳しいところに自生しているようですね。寒さには非常に強いハーブです。

ヒースの効果・効能とは(エリカ、カルーナ・ブルガリス)

ヒース(カルーナ・ブルガリス)
ヒース(カルーナ・ブルガリス)

ヨーロッパ(オーストリアの伝統医学)では、カルーナ・ブルガリスは腎臓や尿路の障害の治療にお茶として内服されていたようです(こちら参照)

ヒース(カルーナ・ブルガリス)の気になる効果・効能をまとめました。

美白効果(アルブチンを含む)

私が一番惹かれたヒースの効能「美白効果」、女性は気になりますよね。

ヒースには「アルブチン」という成分が含まれていて、アルブチンがメラニン色素の合成に関わるチロシナーゼ酵素を抑制することで、シミ・そばかすの色素沈着の改善に効果があると言われていますこちら参照)

アルブチンは水溶性のポリフェノールの一種で、キウイフルーツやブルーベリーなどにも含まれているのだとか。

化粧品や医薬部外品にも配合されている「美白」成分で、化粧品やサプリメントという形で摂取することもできます。タイミングとしては、紫外線を浴びる前(外出前)や日焼け後72時間以内に摂取することが推奨されています。

ヒースには天然のアルブチンが含まれているので、日常的に服用してシミ・そばかす予防「美白」を目指したいですね!

濃いめに入れたハーブティーを化粧水として利用するのも良いそうです。試してみます。

利尿作用・殺菌作用

ヒースのお花の部分にミネラルが多く含まれていることから、抗菌・利尿作用があります。

泌尿器を浄化する効果があり、古くから膀胱炎や尿道炎などの感染症や結石の予防にも用いられてきました(参照書籍:メディカルハーブの辞典)。

また、多すぎる尿酸を取り除き、リウマチや痛風、腎臓の機能不全にも有効とされ入浴剤としても活用されてきた歴史があるそうです(こちら参照)

ハーブティーにすれば、手軽に取り入れることができるので、気になる症状がある人は試してみたいですね。

禁忌・副作用

禁忌や副作用は今のところ知られていません。酸性尿を引き起こす薬剤と一緒に投与すると、抗菌力低下の可能性があるそうです(メディカルハーブの辞典より引用)

まとめ:ヒースで美白に!

スイスアルプスで出会ったヒース(エリカ)ですが、見た目の可愛くて女性にとても嬉しい「美白」効果があるハーブです。

ハーブティーにしても、味自体はあまり無いので、他のハーブとブレンドもしやすいと思います。

服用するだけでなく、石鹸に混ぜたり、化粧水にしたり、入浴剤にするのも良いみたいなので、ヒースを使っていろいろと試してみたいです。

▼ヒース(エリカ)のドライハーブは、生活の木のショップで購入しました。

▼メディカルハーブ辞典にヒースの効果効能について記載されていました(参考文献)